☆「内閣官房に内閣人事局を置くものとし」(国家公務員制度改革基本法・第十一条)。
〇国家公務員制度改革基本法(平成二十年法律第六十八号)
・第一条(目的)
・第二条(基本理念)
・第五条(議院内閣制の下での国家公務員の役割等)
・第九条(職員の倫理の確立及び信賞必罰の徹底)
・第十条(能力及び実績に応じた処遇の徹底等)
・第十一条(内閣人事局の設置)
・第十二条(労働基本権)
(目的)
第一条 この法律は、行政の運営を担う国家公務員に関する制度を社会経済情勢の変化に対応したものとすることが喫緊の課題であることにかんがみ、国民全体の奉仕者である国家公務員について、一人一人の職員が、その能力を高めつつ、国民の立場に立ち、責任を自覚し、誇りを持って職務を遂行することとするため、国家公務員制度改革について、その基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、国家公務員制度改革推進本部を設置することにより、これを総合的に推進することを目的とする。
(素読用条文)
(目的)
第一条
この法律は、
↓
行政の運営を担う国家公務員に関する制度を社会経済情勢の変化に対応したものとすることが喫緊の課題であることにかんがみ、
↓
国民全体の奉仕者である国家公務員について、
↓
一人一人の職員が、
↓
その能力を高めつつ、
↓
国民の立場に立ち、
↓
責任を自覚し、
↓
誇りを持って
↓
職務を遂行することとするため、
↓
国家公務員制度改革について、
↓
その基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、
↓
国家公務員制度改革推進本部を設置することにより、
↓
これを総合的に推進すること
↓
を目的とする。
(基本理念)
第二条 国家公務員制度改革は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。一 議院内閣制の下、国家公務員がその役割を適切に果たすこと。
二 多様な能力及び経験を持つ人材を登用し、及び育成すること。
三 官民の人材交流を推進するとともに、官民の人材の流動性を高めること。
四 国際社会の中で国益を全うし得る高い能力を有する人材を確保し、及び育成すること。
五 国民全体の奉仕者としての職業倫理を確立するとともに、能力及び実績に基づく適正な評価を行うこと。
六 能力及び実績に応じた処遇を徹底するとともに、仕事と生活の調和を図ることができる環境を整備し、及び男女共同参画社会の形成に資すること。
七 政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について、国民に説明する責任を負う体制を確立すること。
(素読用条文)
(基本理念)
第二条
国家公務員制度改革は、
↓
次に掲げる事項を基本として
↓
行われるものとする。
一 議院内閣制の下、
↓
国家公務員がその役割を適切に果たすこと。
二 多様な能力及び経験を持つ人材を登用し、及び育成すること。
三 官民の人材交流を推進するとともに、
↓
官民の人材の流動性を高めること。
四 国際社会の中で国益を全うし得る高い能力を有する人材を確保し、及び育成すること。
五 国民全体の奉仕者としての職業倫理を確立するとともに、
↓
能力及び実績に基づく適正な評価を行うこと。
六 能力及び実績に応じた処遇を徹底するとともに、
↓
仕事と生活の調和を図ることができる環境を整備し、
↓
及び
↓
男女共同参画社会の形成に資すること。
七 政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について、
↓
国民に説明する責任を負う体制を確立すること。
(議院内閣制の下での国家公務員の役割等)
第五条 政府は、議院内閣制の下、政治主導を強化し、国家公務員が内閣、内閣総理大臣及び各大臣を補佐する役割を適切に果たすこととするため、次に掲げる措置を講ずるものとする。一 内閣官房に、内閣総理大臣の命を受け、内閣の重要政策のうち特定のものに係る企画立案に関し、内閣総理大臣を補佐する職(以下この項において「国家戦略スタッフ」という。)を、各府省に、大臣の命を受け、特定の政策の企画立案及び政務に関し、大臣を補佐する職(以下この項において「政務スタッフ」という。)を置くものとすること。
二 国家戦略スタッフ及び政務スタッフ(以下この号において「国家戦略スタッフ等」という。)の任用等については、次に定めるところによるものとすること。
イ 国家戦略スタッフ等は、特別職の国家公務員とするとともに、公募を活用するなど、国の行政機関の内外から人材を機動的に登用できるものとすること。
ロ 国家戦略スタッフ等を有効に活用できるものとするため、給与その他の処遇及び退任後の扱いについて、それぞれの職務の特性に応じた適切なものとすること。
2 政府は、縦割り行政の弊害を排除するため、内閣の人事管理機能を強化し、並びに多様な人材の登用及び弾力的な人事管理を行えるよう、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 事務次官、局長、部長その他の幹部職員(地方支分部局等の職員を除く。以下単に「幹部職員」という。)を対象とした新たな制度を設けるものとすること。
二 課長、室長、企画官その他の管理職員(地方支分部局等の職員を除く。以下単に「管理職員」という。)を対象とした新たな制度を設けるものとすること。
三 幹部職員の任用については、内閣官房長官が、その適格性を審査し、その候補者名簿の作成を行うとともに、各大臣が人事を行うに当たって、任免については、内閣総理大臣及び内閣官房長官と協議した上で行うものとすること。
四 幹部職員及び管理職員(以下「幹部職員等」という。)の任用に当たっては、国の行政機関の内外から多様かつ高度な能力及び経験を有する人材の登用に努めるものとすること。
五 幹部職員等の任用、給与その他の処遇については、任命権者が、それぞれ幹部職員又は管理職員の範囲内において、その昇任、降任、昇給、降給等を適切に行うことができるようにする等その職務の特性並びに能力及び実績に応じた弾力的なものとするための措置を講ずるものとすること。
3 政府は、政官関係の透明化を含め、政策の立案、決定及び実施の各段階における国家公務員としての責任の所在をより明確なものとし、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 職員が国会議員と接触した場合における当該接触に関する記録の作成、保存その他の管理をし、及びその情報を適切に公開するために必要な措置を講ずるものとすること。この場合において、当該接触が個別の事務又は事業の決定又は執行に係るものであるときは、当該接触に関する記録の適正な管理及びその情報の公開の徹底に特に留意するものとすること。
二 前号の措置のほか、各般の行政過程に係る記録の作成、保存その他の管理が適切に行われるようにするための措置その他の措置を講ずるものとすること。
4 政府は、職員の育成及び活用を府省横断的に行うとともに、幹部職員等について、適切な人事管理を徹底するため、次に掲げる事務を内閣官房において一元的に行うこととするための措置を講ずるものとする。
一 幹部職員等に係る各府省ごとの定数の設定及び改定
二 次条第三項に規定する幹部候補育成課程に関する統一的な基準の作成及び運用の管理
三 次条第三項第三号に規定する研修のうち政府全体を通ずるものの企画立案及び実施
四 次条第三項に規定する課程対象者の府省横断的な配置換えに係る調整
五 管理職員を任用する場合の選考に関する統一的な基準の作成及び運用の管理
六 管理職員の府省横断的な配置換えに係る調整
七 幹部職員等以外の職員の府省横断的な配置に関する指針の作成
八 第二項第三号に規定する適格性の審査及び候補者名簿の作成
九 幹部職員等及び次条第三項に規定する課程対象者の人事に関する情報の管理
十 次条第四項第二号に規定する目標の設定等を通じた公募による任用の推進
十一 官民の人材交流の推進
(素読用条文)
(議院内閣制の下での国家公務員の役割等)
第五条
政府は、
↓
議院内閣制の下、
↓
政治主導を強化し、
↓
国家公務員が内閣、内閣総理大臣及び各大臣を補佐する役割を適切に果たすこととするため、
↓
次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 内閣官房に、
↓
内閣総理大臣の命を受け、
↓
内閣の重要政策のうち特定のものに係る企画立案に関し、
↓
内閣総理大臣を補佐する職(以下この項において「国家戦略スタッフ」という。)を、
↓
各府省に、
↓
大臣の命を受け、
↓
特定の政策の企画立案及び政務に関し、
↓
大臣を補佐する職(以下この項において「政務スタッフ」という。)を
↓
置くものとすること。
二 国家戦略スタッフ及び政務スタッフ(以下この号において「国家戦略スタッフ等」という。)の任用等については、
↓
次に定めるところによるものとすること。
イ 国家戦略スタッフ等は、
↓
特別職の国家公務員とするとともに、
↓
公募を活用するなど、
↓
国の行政機関の内外から人材を機動的に登用できるものとすること。
ロ 国家戦略スタッフ等を有効に活用できるものとするため、
↓
給与その他の処遇及び退任後の扱いについて、
↓
それぞれの職務の特性に応じた適切なものとすること。
2 政府は、
↓
縦割り行政の弊害を排除するため、
↓
内閣の人事管理機能を強化し、
↓
並びに
↓
多様な人材の登用及び弾力的な人事管理を行えるよう、
↓
次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 事務次官、局長、部長その他の幹部職員(地方支分部局等の職員を除く。以下単に「幹部職員」という。)を対象とした新たな制度を設けるものとすること。
二 課長、室長、企画官その他の管理職員(地方支分部局等の職員を除く。以下単に「管理職員」という。)を対象とした新たな制度を設けるものとすること。
三 幹部職員の任用については、
↓
内閣官房長官が、
↓
その適格性を審査し、
↓
その候補者名簿の作成を行うとともに、
↓
各大臣が人事を行うに当たって、
↓
任免については、
↓
内閣総理大臣及び内閣官房長官と協議した上で行うものとすること。
四 幹部職員及び管理職員(以下「幹部職員等」という。)の任用に当たっては、
↓
国の行政機関の内外から多様かつ高度な能力及び経験を有する人材の登用に努めるものとすること。
五 幹部職員等の任用、給与その他の処遇については、
↓
任命権者が、
↓
それぞれ幹部職員又は管理職員の範囲内において、
↓
その昇任、降任、昇給、降給等を適切に行うことができるようにする等
↓
その職務の特性並びに能力及び実績に応じた弾力的なものとするための措置を講ずるものとすること。
3 政府は、
↓
政官関係の透明化を含め、
↓
政策の立案、決定及び実施の各段階における国家公務員としての責任の所在をより明確なものとし、
↓
国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資するため、
↓
次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 職員が国会議員と接触した場合における当該接触に関する記録の作成、保存その他の管理をし、
↓
及び
↓
その情報を適切に公開するために必要な措置を講ずるものとすること。
この場合において、
↓
当該接触が個別の事務又は事業の決定又は執行に係るものであるときは、
↓
当該接触に関する記録の適正な管理
↓
及び
↓
その情報の公開の徹底に
↓
特に留意するものとすること。
二 前号の措置のほか、
↓
各般の行政過程に係る記録の作成、保存その他の管理が適切に行われるようにするための措置その他の措置を講ずるものとすること。
4 政府は、
↓
職員の育成及び活用を府省横断的に行うとともに、
↓
幹部職員等について、
↓
適切な人事管理を徹底するため、
↓
次に掲げる事務を内閣官房において一元的に行うこととするための措置を講ずるものとする。
一 幹部職員等に係る各府省ごとの定数の設定及び改定
二 次条第三項に規定する幹部候補育成課程に関する統一的な基準の作成及び運用の管理
三 次条第三項第三号に規定する研修のうち政府全体を通ずるものの企画立案及び実施
四 次条第三項に規定する課程対象者の府省横断的な配置換えに係る調整
五 管理職員を任用する場合の選考に関する統一的な基準の作成及び運用の管理
六 管理職員の府省横断的な配置換えに係る調整
七 幹部職員等以外の職員の府省横断的な配置に関する指針の作成
八 第二項第三号に規定する適格性の審査及び候補者名簿の作成
九 幹部職員等及び次条第三項に規定する課程対象者の人事に関する情報の管理
十 次条第四項第二号に規定する目標の設定等を通じた公募による任用の推進
十一 官民の人材交流の推進
(職員の倫理の確立及び信賞必罰の徹底)
第九条 政府は、職員の倫理の確立及び信賞必罰の徹底のため、次に掲げる措置を講ずるものとする。一 人事評価について、次に定めるところにより行うものとすること。
イ 国民の立場に立ち職務を遂行する態度その他の職業倫理を評価の基準として定めること。
ロ 業績評価に係る目標の設定は、所属する組織の目標を踏まえて行わなければならないものとすること。
ハ 職員に対する評価結果の開示その他の職員の職務に対する主体的な取組を促すための措置を講ずること。
二 職務上知ることのできた秘密を漏らした場合その他の職務上の義務に違反した場合又は職務を怠った場合における懲戒処分について、適正かつ厳格な実施の徹底を図るための措置を講ずること。
三 国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)に基づく求償権について、適正かつ厳格な行使の徹底を図るための措置を講ずること。
(素読用条文)
(職員の倫理の確立及び信賞必罰の徹底)
第九条
政府は、
↓
職員の倫理の確立及び信賞必罰の徹底のため、
↓
次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 人事評価について、
↓
次に定めるところにより行うものとすること。
イ 国民の立場に立ち職務を遂行する態度その他の職業倫理を評価の基準として定めること。
ロ 業績評価に係る目標の設定は、
↓
所属する組織の目標を踏まえて行わなければならないものとすること。
ハ 職員に対する評価結果の開示その他の職員の職務に対する主体的な取組を促すための措置を講ずること。
二 職務上知ることのできた秘密を漏らした場合その他の職務上の義務に違反した場合又は職務を怠った場合における懲戒処分について、
↓
適正かつ厳格な実施の徹底を図るための措置を講ずること。
三 国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)に基づく求償権について、
↓
適正かつ厳格な行使の徹底を図るための措置を講ずること。
(能力及び実績に応じた処遇の徹底等)
第十条 政府は、職員が意欲と誇りを持って働くことを可能とするため、次に掲げる措置を講ずるものとする。一 各部局において業務の簡素化のための計画を策定するとともに、職員の超過勤務の状況を管理者の人事評価に反映させるための措置を講ずること。
二 優秀な人材の国の行政機関への確保を図るため、職員の初任給の引上げ、職員の能力及び実績に応じた処遇の徹底を目的とした給与及び退職手当の見直しその他の措置を講ずること。
三 雇用と年金の接続の重要性に留意して、次に掲げる措置を講ずること。
イ 定年まで勤務できる環境を整備するとともに、再任用制度の活用の拡大を図るための措置を講ずること。
ロ 定年を段階的に六十五歳に引き上げることについて検討すること。
ハ イの環境の整備及びロの定年の引上げの検討に際し、高年齢である職員の給与の抑制を可能とする制度その他のこれらに対応した給与制度の在り方並びに職制上の段階に応じそれに属する職に就くことができる年齢を定める制度及び職種に応じ定年を定める制度の導入について検討すること。
(素読用条文)
(能力及び実績に応じた処遇の徹底等)
第十条
政府は、
↓
職員が意欲と誇りを持って働くことを可能とするため、
↓
次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 各部局において業務の簡素化のための計画を策定するとともに、
↓
職員の超過勤務の状況を管理者の人事評価に反映させるための措置を講ずること。
二 優秀な人材の国の行政機関への確保を図るため、
↓
職員の初任給の引上げ、職員の能力及び実績に応じた処遇の徹底を目的とした給与及び退職手当の見直しその他の措置を講ずること。
三 雇用と年金の接続の重要性に留意して、
↓
次に掲げる措置を講ずること。
イ 定年まで勤務できる環境を整備するとともに、
↓
再任用制度の活用の拡大を図るための措置を講ずること。
ロ 定年を段階的に六十五歳に引き上げることについて検討すること。
ハ イの環境の整備及びロの定年の引上げの検討に際し、
↓
高年齢である職員の給与の抑制を可能とする制度その他のこれらに対応した給与制度の在り方並びに職制上の段階に応じそれに属する職に就くことができる年齢を定める制度及び職種に応じ定年を定める制度の導入について検討すること。
(内閣人事局の設置)
第十一条 政府は、次に定めるところにより内閣官房に事務を追加するとともに、当該事務を行わせるために内閣官房に内閣人事局を置くものとし、このために必要な法制上の措置について、第四条第一項の規定にかかわらず、この法律の施行後一年以内を目途として講ずるものとする。一 内閣官房長官は、政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について、国民に説明する責任を負うとともに、第五条第四項に掲げる事務及びこれらに関連する事務を所掌するものとすること。
二 総務省、人事院その他の国の行政機関が国家公務員の人事行政に関して担っている機能について、内閣官房が新たに担う機能を実効的に発揮する観点から必要な範囲で、内閣官房に移管するものとすること。
(素読用条文)
(内閣人事局の設置)
第十一条
政府は、
↓
次に定めるところにより
↓
内閣官房に事務を追加するとともに、
↓
当該事務を行わせるために
↓
内閣官房に内閣人事局を置くものとし、
↓
このために必要な法制上の措置について、
↓
第四条第一項の規定にかかわらず、
↓
この法律の施行後一年以内を目途として
↓
講ずるものとする。
一 内閣官房長官は、
↓
政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について、
↓
国民に説明する責任を負うとともに、
↓
第五条第四項に掲げる事務及びこれらに関連する事務を所掌するものとすること。
二 総務省、人事院その他の国の行政機関が国家公務員の人事行政に関して担っている機能について、
↓
内閣官房が新たに担う機能を実効的に発揮する観点から必要な範囲で、
↓
内閣官房に移管するものとすること。
(労働基本権)
第十二条 政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに、国民に開かれた自律的労使関係制度を措置するものとする。
(素読用条文)
(労働基本権)
第十二条
政府は、
↓
協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を
↓
国民に提示し、
↓
その理解のもとに、
↓
国民に開かれた自律的労使関係制度を
↓
措置するものとする。
(国家公務員制度改革基本法=平成二十九年四月一日現在・施行)