なまけ者の条文素読帳

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「仮の地位を定める仮処分命令」

☆「仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる」(民事保全法・第二十三条第二項)。

 

民事保全法(平成元年法律第九十一号)

 

・第一条(趣旨)
・第二条(民事保全の機関及び保全執行裁判所)
・第十三条(申立て及び疎明)
・第十四条(保全命令の担保)
・第十五条(裁判長の権限)
・第十六条(決定の理由)
・第十七条(送達)
・第二十三条(仮処分命令の必要性等)
・第二十四条(仮処分の方法)
・第四十三条保全執行の要件)

 

(趣旨)
第一条 民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え及び係争物に関する仮処分並びに民事訴訟の本案の権利関係につき仮の地位を定めるための仮処分(以下「民事保全」と総称する。)については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

 

素読用条文)


(趣旨)
第一条

  民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え及び係争物に関する仮処分
   ↓
  並びに
   ↓
  民事訴訟の本案の権利関係につき仮の地位を定めるための仮処分
   ↓
  (以下「民事保全」と総称する。)については、
   ↓
  他の法令に定めるもののほか、
   ↓
  この法律の定めるところによる。

 

(民事保全の機関及び保全執行裁判所)
第二条 民事保全の命令(以下「保全命令」という。)は、申立てにより、裁判所が行う。
2 民事保全の執行(以下「保全執行」という。)は、申立てにより、裁判所又は執行官が行う。
3 裁判所が行う保全執行に関してはこの法律の規定により執行処分を行うべき裁判所をもって、執行官が行う保全執行の執行処分に関してはその執行官の所属する地方裁判所をもって保全執行裁判所とする。

 

素読用条文)


(民事保全の機関及び保全執行裁判所)
第二条

  民事保全の命令(以下「保全命令」という。)は、
   ↓
  申立てにより、
   ↓
  裁判所が
   ↓
  行う。

2 民事保全の執行(以下「保全執行」という。)は、
   ↓
  申立てにより、
   ↓
  裁判所又は執行官が
   ↓
  行う。

3 裁判所が行う保全執行に関しては
   ↓
  この法律の規定により執行処分を行うべき裁判所をもって、
   ↓
  執行官が行う保全執行の執行処分に関しては
   ↓
  その執行官の所属する地方裁判所をもって
   ↓
  保全執行裁判所
   ↓
  とする。

 

(申立て及び疎明)
十三条 保全命令の申立ては、その趣旨並びに保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性を明らかにして、これをしなければならない。
2 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、疎明しなければならない。

 

素読用条文)


(申立て及び疎明)
十三条

  保全命令の申立ては、
   ↓
  その趣旨
   ↓
  並びに
   ↓
  保全すべき権利又は権利関係
   ↓
  及び
   ↓
  保全の必要性を明らかにして、
   ↓
  これをしなければならない。

2 保全すべき権利又は権利関係
   ↓
  及び
   ↓
  保全の必要性は、
   ↓
  疎明しなければならない。

 

保全命令の担保)
第十四条 保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができる。
2 前項の担保を立てる場合において、遅滞なく第四条第一項の供託所に供託することが困難な事由があるときは、裁判所の許可を得て、債権者の住所地又は事務所の所在地その他裁判所が相当と認める地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができる。

 

素読用条文)


保全命令の担保)
第十四条

  保全命令は、
   ↓
  担保を立てさせて、
   ↓
  若しくは
   ↓
  相当と認める一定の期間内に
   ↓
  担保を立てることを保全執行の実施の条件として、
   ↓
  又は
   ↓
  担保を立てさせないで
   ↓
  発することができる。

2 前項の担保を立てる場合において、
   ↓
  遅滞なく
   ↓
  第四条第一項の
   ↓
  供託所に供託することが困難な事由があるときは、
   ↓
  裁判所の許可を得て、
   ↓
  債権者の住所地又は事務所の所在地
   ↓
  その他裁判所が相当と認める地を管轄する
   ↓
  地方裁判所の管轄区域内の供託所に
   ↓
  供託することができる。

 

(裁判長の権限)
第十五条 保全命令は、急迫の事情があるときに限り、裁判長が発することができる。

 

素読用条文)


(裁判長の権限)
第十五条

  保全命令は、
   ↓
  急迫の事情があるときに限り
   ↓
  裁判長が
   ↓
  発することができる。

 

(決定の理由)
第十六条 保全命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。

 

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(決定の理由)
第十六条

  保全命令の申立てについての決定には、
   ↓
  理由を付さなければならない。

  ただし、
   ↓
  口頭弁論を経ないで
   ↓
  決定をする場合には、
   ↓
  理由の要旨を示せば足りる。

 

(送達)
第十七条 保全命令は、当事者に送達しなければならない。

 

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(送達)
第十七条

  保全命令は、
   ↓
  当事者に送達しなければならない

 

(仮処分命令の必要性等)
第二十三条 係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。
2 仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる。
3 第二十条第二項の規定は、仮処分命令について準用する。
4 第二項の仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

 

素読用条文)


(仮処分命令の必要性等)
第二十三条

  係争物に関する仮処分命令は、
   ↓
  その現状の変更により、
   ↓
  債権者が
   ↓
  権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、
   ↓
  又は
   ↓
  権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに
   ↓
  発することができる。

2 仮の地位を定める仮処分命令は、
   ↓
  争いがある権利関係について
   ↓
  債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるため
   ↓
  これを必要とするときに
   ↓
  発することができる。

3 第二十条第二項の規定は、
   ↓
  仮処分命令について
   ↓
  準用する。

4 第二項の仮処分命令は、
   ↓
  口頭弁論
   ↓
  又は
   ↓
  債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ
   ↓
  これを発することができない。

  ただし、
   ↓
  その期日を経ることにより
   ↓
  仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは
   ↓
  この限りでない。

 

(仮処分の方法)
第二十四条 裁判所は、仮処分命令の申立ての目的を達するため、債務者に対し一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ、又は保管人に目的物を保管させる処分その他の必要な処分をすることができる。

 

素読用条文)


(仮処分の方法)
第二十四条

  裁判所は、
   ↓
  仮処分命令の申立ての目的を達するため、
   ↓
  債務者に対し
   ↓
  一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ
   ↓
  又は
   ↓
  保管人に目的物を保管させる処分
   ↓
  その他の必要な処分をすることができる。

 

保全執行の要件)
第四十三条 保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する。ただし、保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する。
2 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から二週間を経過したときは、これをしてはならない。
3 保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができる。

 

素読用条文)


保全執行の要件)
第四十三条

  保全執行は、
   ↓
  保全命令の正本に基づいて
   ↓
  実施する。

  ただし、
   ↓
  保全命令に表示された当事者以外の者に対し、
   ↓
  又は
   ↓
  その者のためにする保全執行は、
   ↓
  執行文の付された保全命令の正本に基づいて
   ↓
  実施する。

2 保全執行は、
   ↓
  債権者に対して保全命令が送達された日から
   ↓
  二週間を経過したときは
   ↓
  これをしてはならない。

3 保全執行は、
   ↓
  保全命令が債務者に送達される前であっても
   ↓
  これをすることができる。

 


民事保全法=令和4年6月17日現在・施行)