なまけ者の条文素読帳

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「都にはならない都構想」

☆「都の区は、これを特別区という」(地方自治法・第二百八十一条第一項)、「道県の区域内において関係町村を廃止し、特別区を設ける」(大都市地域における特別区の設置に関する法律・第一条)。

 

地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)

 

・第一条の三
・第二百八十一条(特別区
・第二百八十一条の二(都と特別区との役割分担の原則)
・第二百八十三条(市に関する規定の適用)

 

第一条の三 地方公共団体は、普通地方公共団体及び特別地方公共団体とする。
○2 普通地方公共団体は、都道府県及び市町村とする。
○3 特別地方公共団体は、特別区地方公共団体の組合及び財産区とする。

 

素読用条文)


第一条の三

  地方公共団体は、
   ↓
  普通地方公共団体及び特別地方公共団体
   ↓
  とする。

2 普通地方公共団体は、
   ↓
  都道府県及び市町村
   ↓
  とする。

3 特別地方公共団体は、
   ↓
  特別区地方公共団体の組合及び財産区
   ↓
  とする。

 

特別区
第二百八十一条 都の区は、これを特別区という。
2 特別区は、法律又はこれに基づく政令により都が処理することとされているものを除き、地域における事務並びにその他の事務で法律又はこれに基づく政令により市が処理することとされるもの及び法律又はこれに基づく政令により特別区が処理することとされるものを処理する。

 

素読用条文)


特別区
第二百八十一条

  都の区は、
   ↓
  これを
   ↓
  特別区
   ↓
  という。

2 特別区は、
   ↓
  法律又はこれに基づく政令により都が処理することとされているものを除き、
   ↓
  地域における事務
   ↓
  並びに
   ↓
  その他の事務で
   ↓
  法律又はこれに基づく政令により市が処理することとされるもの
   ↓
  及び
   ↓
  法律又はこれに基づく政令により特別区が処理することとされるものを
   ↓
  処理する。

 

(都と特別区との役割分担の原則)
第二百八十一条の二 都は、特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方公共団体として、第二条第五項において都道府県が処理するものとされている事務及び特別区に関する連絡調整に関する事務のほか、同条第三項において市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務を処理するものとする。
2 特別区は、基礎的な地方公共団体として、前項において特別区の存する区域を通じて都が一体的に処理するものとされているものを除き、一般的に、第二条第三項において市町村が処理するものとされている事務を処理するものとする。
3 都及び特別区は、その事務を処理するに当たつては、相互に競合しないようにしなければならない。

 

素読用条文)


(都と特別区との役割分担の原則)
第二百八十一条の二

  都は、
   ↓
  特別区の存する区域において、
   ↓
  特別区を包括する広域の地方公共団体として、
   ↓
  第二条第五項において都道府県が処理するものとされている事務
   ↓
  及び
   ↓
  特別区に関する連絡調整に関する事務のほか、
   ↓
  同条第三項において市町村が処理するものとされている事務のうち
   ↓
  人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から
   ↓
  当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務
   ↓
  処理するものとする。

2 特別区は、
   ↓
  基礎的な地方公共団体として、
   ↓
  前項において特別区の存する区域を通じて都が一体的に処理するものとされているものを除き、
   ↓
  一般的に、
   ↓
  第二条第三項において市町村が処理するものとされている事務を
   ↓
  処理するものとする。

3 都及び特別区は、
   ↓
  その事務を処理するに当たつては、
   ↓
  相互に競合しないようにしなければならない

 

(市に関する規定の適用)
第二百八十三条 この法律又は政令で特別の定めをするものを除くほか、第二編及び第四編中市に関する規定は、特別区にこれを適用する。
2 他の法令の市に関する規定中法律又はこれに基づく政令により市が処理することとされている事務で第二百八十一条第二項の規定により特別区が処理することとされているものに関するものは、特別区にこれを適用する。
3 前項の場合において、都と特別区又は特別区相互の間の調整上他の法令の市に関する規定をそのまま特別区に適用しがたいときは、政令で特別の定めをすることができる。

 

素読用条文)


(市に関する規定の適用)
第二百八十三条

  この法律又は政令で特別の定めをするものを除くほか、
   ↓
  第二編及び第四編中
   ↓
  市に関する規定は、
   ↓
  特別区
   ↓
  これを適用する。

2 他の法令の市に関する規定中
   ↓
  法律又はこれに基づく政令により
   ↓
  市が処理することとされている事務で
   ↓
  第二百八十一条第二項の規定により
   ↓
  特別区が処理することとされているものに関するものは、
   ↓
  特別区
   ↓
  これを適用する。

3 前項の場合において、
   ↓
  都と特別区又は特別区相互の間の調整上
   ↓
  他の法令の市に関する規定を
   ↓
  そのまま特別区に適用しがたいときは
   ↓
  政令
   ↓
  特別の定めをすることができる。

 


〇大都市地域における特別区の設置に関する法律(平成二十四年法律第八十号)

 

・第一条(目的)
・第二条(定義)
・第三条(道府県の区域内における特別区の設置の特例)
・第七条(関係市町村における選挙人の投票)
・第十一条(事務の分担等に関する意見の申出に係る措置)

 

(目的)
第一条 この法律は、道府県の区域内において関係市町村を廃止し、特別区を設けるための手続並びに特別区道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について定めることにより、地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けることを目的とする。

 

素読用条文)


(目的)
第一条

  この法律は、
   ↓
  道府県の区域内において関係市町村を廃止し、
   ↓
  特別区を設けるための手続
   ↓
  並びに
   ↓
  特別区道府県の事務の分担
   ↓
  並びに
   ↓
  税源の配分及び財政の調整に関する意見の申出に係る措置について
   ↓
  定めることにより、
   ↓
  地域の実情に応じた大都市制度の特例を設けること
   ↓
  を目的とする。

 

(定義)
第二条 この法律において「関係市町村」とは、人口(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十四条に規定する人口によるものとする。以下この項において同じ。)二百万以上の指定都市(同法第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)又は一の指定都市及び当該指定都市に隣接する同一道府県の区域内の一以上の市町村(当該市町村が指定都市である場合にあっては、当該指定都市に隣接する同一道府県の区域内のものを含む。)であって、その総人口が二百万以上のものをいう。
2 この法律において「関係道府県」とは、関係市町村を包括する道府県をいう。
3 この法律(第十二条及び第十三条を除く。)において「特別区の設置」とは、関係市町村を廃止し、当該関係市町村の区域の全部を分けて定める区域をその区域として、特別区を設けることをいう。

 

素読用条文)


(定義)
第二条

  この法律において
   ↓
  「関係市町村」とは、
   ↓
  人口地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十四条に規定する人口によるものとする。以下この項において同じ。)
   ↓
  二百万以上の指定都市同法第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)
   ↓
  又は
   ↓
  一の指定都市及び当該指定都市に隣接する同一道府県の区域内の一以上の市町村(当該市町村が指定都市である場合にあっては、当該指定都市に隣接する同一道府県の区域内のものを含む。)であって、
   ↓
  その総人口が二百万以上のもの
   ↓
  をいう。

2 この法律において
   ↓
  「関係道府県」とは、
   ↓
  関係市町村を包括する道府県
   ↓
  をいう。

3 この法律(第十二条及び第十三条を除く。)において
   ↓
  「特別区の設置」とは、
   ↓
  関係市町村を廃止し、
   ↓
  当該関係市町村の区域の全部を分けて定める区域を
   ↓
  その区域として、
   ↓
  特別区を設けること
   ↓
  をいう。

 

道府県の区域内における特別区の設置の特例)
第三条 地方自治法第二百八十一条第一項の規定にかかわらず、総務大臣は、この法律の定めるところにより、道府県の区域内において、特別区の設置を行うことができる。

 

素読用条文)


道府県の区域内における特別区の設置の特例)
第三条

  地方自治法第二百八十一条第一項の規定にかかわらず、
   ↓
  総務大臣は、
   ↓
  この法律の定めるところにより、
   ↓
  道府県の区域内において、
   ↓
  特別区の設置を
   ↓
  行うことができる。

 

(関係市町村における選挙人の投票)
第七条 前条第三項の規定による通知を受けた関係市町村の選挙管理委員会は、基準日から六十日以内に、特別区の設置について選挙人の投票に付さなければならない。
2 関係市町村の長は、前項の規定による投票に際し、選挙人の理解を促進するよう、特別区設置協定書の内容について分かりやすい説明をしなければならない。
3 関係市町村の選挙管理委員会は、第一項の規定による投票に際し、当該関係市町村の議会の議員から申出があったときは、当該投票に関する当該議員の意見を公報に掲載し、選挙人に配布しなければならない。
4 前項の場合において、二人以上の議員は、関係市町村の選挙管理委員会に対し、当該議員が共同で表明する意見を掲載するよう申し出ることができる。
5 関係市町村の選挙管理委員会は、第一項の規定による投票の結果が判明したときは、直ちにこれを全ての関係市町村の長及び関係道府県の知事に通知するとともに、公表しなければならない。その投票の結果が確定したときも、同様とする。
6 政令で特別の定めをするものを除くほか、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)中普通地方公共団体の選挙に関する規定は、第一項の規定による投票について準用する。
7 第一項の規定による投票は、普通地方公共団体の選挙と同時にこれを行うことができる。

 

素読用条文)


(関係市町村における選挙人の投票)
第七条

  前条第三項の規定による通知を受けた
   ↓
  関係市町村の選挙管理委員会は、
   ↓
  基準日から六十日以内に、
   ↓
  特別区の設置について
   ↓
  選挙人の投票に付さなければならない。

2 関係市町村の長は、
   ↓
  前項の規定による投票に際し、
   ↓
  選挙人の理解を促進するよう
   ↓
  特別区設置協定書の内容について
   ↓
  分かりやすい説明をしなければならない

3 関係市町村の選挙管理委員会は、
   ↓
  第一項の規定による投票に際し、
   ↓
  当該関係市町村の議会の議員から
   ↓
  申出があったときは、
   ↓
  当該投票に関する当該議員の意見
   ↓
  公報に掲載し、
   ↓
  選挙人に配布しなければならない。

4 前項の場合において、
   ↓
  二人以上の議員は、
   ↓
  関係市町村の選挙管理委員会に対し、
   ↓
  当該議員が共同で表明する意見を掲載するよう
   ↓
  申し出ることができる。

5 関係市町村の選挙管理委員会は、
   ↓
  第一項の規定による投票の結果が判明したときは、
   ↓
  直ちに
   ↓
  これを
   ↓
  全ての関係市町村の長及び関係道府県の知事に
   ↓
  通知するとともに、
   ↓
  公表しなければならない。

  その投票の結果が確定したときも、
   ↓
  同様とする。

6 政令で特別の定めをするものを除くほか、
   ↓
  公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)中
   ↓
  普通地方公共団体の選挙に関する規定は、
   ↓
  第一項の規定による投票について
   ↓
  準用する。

7 第一項の規定による投票は、
   ↓
  普通地方公共団体の選挙と同時に
   ↓
  これを行うことができる。

 

(事務の分担等に関する意見の申出に係る措置)
第十一条 一の道府県の区域内の全ての特別区及び当該道府県は、共同して、特別区とこれを包括する道府県の事務の分担並びに税源の配分及び財政の調整の在り方に関し、政府に対し意見を申し出ることができる。
2 前項の規定による申出については、当該特別区及び道府県の議会の議決を経なければならない。
3 政府は、第一項の規定による申出を受けた日から六月を目途に当該意見を踏まえた新たな措置を講ずる必要の有無について判断し、必要があると認めるときは、当該意見の趣旨を尊重し、速やかに必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

 

素読用条文)


(事務の分担等に関する意見の申出に係る措置)
第十一条

  一の道府県の区域内の全ての特別区
   ↓
  及び
   ↓
  当該道府県は、
   ↓
  共同して
   ↓
  特別区とこれを包括する道府県
   ↓
  事務の分担
   ↓
  並びに
   ↓
  税源の配分及び財政の調整の在り方に関し、
   ↓
  政府に対し
   ↓
  意見を申し出ることができる

2 前項の規定による申出については、
   ↓
  当該特別区及び道府県
   ↓
  議会の議決を経なければならない。

3 政府は、
   ↓
  第一項の規定による申出を受けた日から
   ↓
  六月を目途に
   ↓
  当該意見を踏まえた
   ↓
  新たな措置を講ずる必要の有無について
   ↓
  判断し、
   ↓
  必要があると認めるときは、
   ↓
  当該意見の趣旨を尊重し、
   ↓
  速やかに
   ↓
  必要な法制上の措置
   ↓
  その他の措置を講ずるものとする。

 


地方自治法=令和二年四月一日現在・施行)
(大都市地域における特別区の設置に関する法律=平成二十九年四月一日現在・施行)